電子お薬手帳サービス「harmo(ハルモ)」を紹介します。harmoは2019年6月にソニー株式会社から継承した事業で、 同社との間で締結された契約により現在も技術支援が継続されています。そもそも電子お薬手帳とは何か、どのようなことができるのか、今後の展望をご紹介します。

電子お薬手帳「harmo」ではじまるヘルスケアの情報革命
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Q. 「電子お薬手帳」は「お薬手帳」とどこが違うのですか?

A. 「お薬手帳」とは、処方された薬の名前や飲む量、回数、飲み方などを記録するものです。記録を見れば、これまでに処方された薬の情報(薬歴)を把握することができます。一般に使われている紙のお薬手帳は、処方時に薬局で渡されるシールを貼ったり、自分で書き込んだりして使います。そのため、書き込み忘れや、一冊に収められる量に限界があるため、長期間の薬歴を正確に記録することは容易ではありません。こうした問題を電子化することで解決したのが「電子お薬手帳」です。


Q. harmoの特長について教えてください

A. 現在、電子お薬手帳サービス事業を展開している企業は数十社ありますが、多くは患者さんがスマートフォンに専用のアプリをダウンロードして使います。薬局の薬剤師さんが薬剤データを閲覧する際には、その都度、患者さんに許可をもらうというシステムです。harmoには、このようなアプリによるサービスの他に個人用のICカードが用意されていることが特徴です。

カードには持ち主の名前が、クラウド上には暗号化されたデータが、個人を容易には特定できない形で置かれています。それぞれに共通のI Dが付与されていて、カードを専用端末にタッチすることが薬剤師さんへのデータ開示の承認となり、クラウドからデータが抽出されます。なお、カードを紛失しても再発行が可能であり、その手続きによって紛失したカードは使用不能になりますのでプライバシーは守られます。

このように、harmo は厳格な個人情報保護の下に薬剤関連情報に基づく適切なフィードバックを可能にする電子お薬手帳サービスといえます。


Q. 今、harmoではどのようなことに取り組んでいますか

A. harmoには、調剤情報に基づく患者さんへの適切な処方や服薬指導といった電子お薬手帳の基本的なサービスの他に、普及率の高い地域を中心に患者さんの特徴や合併疾患などの情報を調剤薬局の薬剤師さんにフィードバックする機能が備わっていて、地域の薬剤師さんの理解を得ながら、情報基盤として活用され始めています。

こうしたなか、今年の6月から慶應義塾大学との共同研究として、神奈川県川崎市川崎区において乳児期の予防接種をharmoで記録・チェックし、予防接種の過誤を低減する効果に関する実証試験を開始しました。


Q. harmoの今後の展望について教えてください

A. 2020年の7 月からポケットファーマシー社と協業し、約100万人のユーザーの電子お薬手帳を活用した共通サービス提供事業の構築を開始しました。このようなユーザー拡大とともに、harmo の機能を従来の薬剤関連情報にとどまらずpersonal healthrecord(PHR)にまで拡張し、最終的にはユーザー個々人のwellbeing に繋がる健康関連情報の提供にまで、能力を向上させていきたいと考えています。




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